今日のゴール
Section 01
商品販売以外にも、会社はさまざまな収益を得ることがある。問題文をよく読んで、どの収益勘定を使うかを判断しよう。
よく出る売上以外の収益
受取手数料…〇〇手数料を受け取ったとき
受取家賃…所有している部屋・建物を貸して家賃を受け取ったとき
受取利息 / 雑益 / 固定資産売却益 / 償却債権取立益
どれも問題文を読めば判別は難しくない。「〜を受け取った」という文言に注目しよう。
例題|受取家賃の仕訳
所有するマンションの1室を貸し出しており、当月分の家賃 50,000円を現金で受け取った。
現金という資産が増え、受取家賃という収益が発生する。貸している物件の家賃収入は「受取家賃」。
Section 02
経費とは、会社が事業を行う上で発生するさまざまな費用の総称である。試験で「経費」という言葉そのものを問われることはないが、問題文を読んで適切な勘定科目を選ぶ力が必要となる。
ほとんどは問題文を読めば判断できる。
| 勘定科目 | どういう時に使うか |
|---|---|
| 通信費 | 切手・はがき・電話代・インターネット料金など |
| 租税公課 | 収入印紙・固定資産税など。 ※ 法人税などは「法人税等」を使う(別勘定) |
| 旅費交通費 | 電車・バス・タクシー・出張費など交通手段全般 |
| 広告宣伝費 | 会社や商品の宣伝・広告にかかる費用 |
| 水道光熱費 | 水道・電気・ガスなどのライフライン費用 |
| 支払手数料 | 〇〇手数料を支払ったとき(振込手数料など) |
| 支払家賃 | オフィス・倉庫などの家賃を支払ったとき |
| 保険料 | 火災保険・自動車保険など各種保険の支払い |
| 消耗品費 | コピー用紙・文房具・インクなど消耗品全般 |
| 諸会費 | 業界団体・商工会などの会費を支払ったとき |
| その他 | 問題文の内容から判断しよう |
例題|通信費の仕訳
得意先への書類郵送のため、はがき 60枚(1枚 50円)を現金で購入した。
通信費 = 50 × 60 = 3,000円
はがきは通信手段なので「通信費」。切手・電話代なども同様に通信費で処理する。
Section 03
決算時点で、切手・収入印紙などが未使用のまま残っていた場合、残っている金額を費用から貯蔵品という資産勘定に振り替える。
切手・収入印紙は換金性が高いため、使っていない分はまだ「価値のある資産」として残っている。購入時に費用計上しているが、決算で正しい財務状態を示すために資産へ戻す。
例題|貯蔵品の一連の仕訳
① 期中に切手 100枚(1枚 10円)を現金で購入した。
② 決算日(3月31日)に未使用の切手が 20枚残っていた。
③ 翌期首(4月1日)に再振替を行った。
① 購入時 ─ 全額を費用に計上
通信費 = 10 × 100 = 1,000円
② 決算時 ─ 未使用分を資産へ振替
貯蔵品 = 10 × 20枚 = 200円
③ 期首(4月1日) ─ 再振替で費用へ戻す
決算での振替はあくまで一時的な処理。翌期首には逆仕訳(再振替)で元の状態に戻す。貯蔵品→費用へ。
Section 04
経過勘定とは、お金の動きと収益・費用の計上タイミングがズレたときに修正するために使う勘定科目である。
貯蔵品と同様に決算での一時的な処理であるため、翌期首に取り崩す(再振替)。
| 勘定科目 | B/S区分 | 意味・例 |
|---|---|---|
| 未払費用 | 負債 | まだ払っていないが費用は発生している 例)3月の家賃を4月に支払う |
| 未収収益 | 資産 | まだ受け取っていないが収益は発生している 例)3月の家賃収入を4月に受け取る |
| 前払費用 | 資産 | 来期の分をすでに支払っている 例)来期4月の家賃を3月に前払い |
| 前受収益 | 負債 | 来期の分をすでに受け取っている 例)来期4月の家賃を3月に前受け |
利息・家賃・保険料が頻出。問題や選択肢によっては「前払保険料」「未払利息」など細かく区切ることもある。
未払費用…家賃・利息・保険料のように継続的に発生する費用のうち、まだ支払っていない分。
未払金…備品・土地の購入のように単発の取引で、代金をまだ払っていない場合。
「毎月のように発生するか(継続)」「一度きりの取引か(単発)」で区別しよう。
例題|前払費用の一連の仕訳
10月1日に事務所の家賃 1年分(120,000円)を現金で支払った。決算は3月31日。
① 支払時(10月1日) ─ 全額を費用に計上
② 決算時(3月31日) ─ 次期分を資産へ振替
次期分 = 120,000 × 6÷12 = 60,000円
③ 期首(4月1日) ─ 再振替で費用へ戻す
10月〜3月(6ヶ月分)は当期の費用。4月〜9月(6ヶ月分)はまだ先の話なので次期の費用として「前払費用」へ。決算で費用を減らして資産に振り替え、期首にまた費用へ戻す。
Section 05
訂正仕訳とは、誤った仕訳を正しく訂正するための仕訳である。
① 誤った仕訳の逆仕訳を行う(影響をゼロにする)
② 正しい仕訳をやり直す
③ ①+②を合算・相殺して解答する
例題①|金額の入力ミス
仕入 10,000円(掛け)を誤って 1,000円で仕訳していた。訂正仕訳を示しなさい。
誤った仕訳
訂正仕訳(①逆+②正 → ③合算)
差額の 9,000円(=10,000−1,000)を追加計上すれば、合計で正しい 10,000円になる。①逆仕訳(買掛金1,000/仕入1,000)+②正仕訳(仕入10,000/買掛金10,000)を合算すると仕入9,000/買掛金9,000になる。
例題②|借貸反対のミス
消耗品費 800円を現金で支払ったが、借方と貸方を反対に仕訳していた。訂正仕訳を示しなさい。
誤った仕訳(借貸反対)
訂正仕訳(①逆+②正 → ③合算)
①逆仕訳(消耗品費800/現金800)+②正仕訳(消耗品費800/現金800)を合算すると消耗品費1,600/現金1,600になる。借貸が丸ごと逆の場合は金額が2倍になる点がポイント。
Section 06
証ひょうとは、取引の証拠となる書類のことである。請求書・納品書・振込依頼書・税金の納付書などがこれにあたる。
試験では証ひょうを読み取って仕訳を解く問題が出題される。書類に記載された金額・取引内容・支払方法を正確に読み取ることが大切だ。
例題①|請求書からの仕訳(備品購入)
次の請求書を受け取り、合計額を普通預金から支払った。なお、当社では単価 100,000円以上のものを備品として処理している。
ご請求金額 ¥ 213,000
| 品名 | 数量 | 単価 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 複合機 | 1 | 200,000 | ¥200,000 |
| 設置作業費 | ¥ 8,000 | ||
| 配送料 | ¥ 5,000 | ||
| 合 計 | ¥213,000 | ||
複合機(200,000円 ≧ 100,000円)→ 備品として処理。設置費・配送料も取得原価に含める。
複合機本体が 200,000円(100,000円以上)なので備品。設置費・配送料は備品を使えるようにするための付随費用のため、備品の取得原価に含める。合計 213,000円を備品として計上。
例題②|納品書兼請求書からの仕訳(売上・消費税)
次の納品書兼請求書を取引先へ発送し、代金は掛けとした。消費税は税抜方式で処理する。
ご請求金額 ¥ 44,000
| 品名 | 数量 | 単価 | 金額 |
|---|---|---|---|
| A商品 | 100個 | 200 | ¥20,000 |
| B商品 | 50個 | 400 | ¥20,000 |
| 消費税(10%) | ¥ 4,000 | ||
| 合 計 | ¥44,000 | ||
税抜方式では消費税を「仮受消費税」として分けて計上する。売掛金は合計額(44,000円)、売上は税抜額(40,000円)、差額が仮受消費税(4,000円)。代金は掛けなので借方は売掛金。
今日のまとめ